日常の一部において

 通勤している道すがら、今日の医療の現場でどのような患者が訪れるのだろうかと思う場合があるでしょう。自宅から出て病院に着くまでの時間の中で、早く医療の現場に来て患者を救いたいというはやる気持ちを抱いていることが往々にして考えられて、自宅から病院までの通勤時間が長いほど医療の仕事をするまで遅くなるため、イライラすることも珍しくないと思うのです。医療従事者として病院勤めをしている方の中には、通勤するだけでもしんどい気持ちになってしまうことがあるでしょう。病院に近づいていくにつれてプレッシャーの波が押し寄せていき、場合によっては激しい動悸に襲われることがあるかもしれません。まるで病院そのものが自分を陥れていくかのような感覚を覚えることがあっても不思議ではないのであり、ともすれば病院に殺されてしまう自分を想像してしまうことさえあるのかもしれません。それでも、自分が進んだ医療の道だからこそ、患者に対して最適な医療を提供していくという大義名分を掲げていき、自分の医療行為によって癒されていく患者がいるからこそ、医療人であり続けようとするのだと思うのです。
 通勤に電車を利用している方は多いでしょう。病院勤めをしている方の中には電車が貴重な移動手段だと思っているでしょうし、電車の中ならば、病院に着くまでの時間で新聞を読んだりスマホで最新の情報を取り入れようとする余裕が生まれてくるのです。最近は、医療現場で働く人たちのための便利なアプリも増えてきました。人によっては、電車の中はあたかも聖地のように捉えているのではないでしょうか。座る席があればその席に座り、快適な気分を味わうことが見て取れるからです。